元受付嬢CEOから生まれたプロダクトとチームビルディング
前回のブログ「受付嬢からスタートアップ。私が起業した理由。」では、私が受付から起業した経緯をお伝えしました。
予想以上にたくさんの方に読んでいただき、ありがとうございます。緊張感が高まっておりますが、私らしくこれからも色々とお伝えできればと思っております。
そして、多くの企業様にお使いいただいておりますことを感謝を申し上げるとともにご報告させていただきます。
※お知らせ:利用開始社数が50社、総受付回数が5000回を突破しました。
2回目の記事は起業を決心してからプロダクトのリリースまでをお話します。
まず、皆さんにお伝えしておきたいことは、私の「受付」に関する素晴らしいスキルを身に付けられたのは、私一人の力ではありません。
雇ってくれる会社があって、続けられる環境を与えてもらって、一緒に頑張ってくれる仲間がいて。。。
そうしてキャリアやスキルというのは身についていくものです。
授けてもらったキャリアは世の中の役に立てるべきであり、社会で生きていく上では、こうしたお想いを持ってお仕事するべきだと思います。
私は、たくさんの方に「受付日本一のキャリア」を授けていただいた。そう思っています。
ですから、
『この経験は必ず形にして恩返しがしたい。』
『世の中の役に立ちたい。』
そう自然と思うようになりました。
『受付しかして来なかった。でも、私にしかできないことがあるはず!』
と、自分の仕事今までとは違った視点で向き合うようになりました。
それがGMOで働いて2年経った頃の話。
受付のお仕事というのは「ルーチンワーク」が多いです。
ということは、お客様も「いつも受付で同じ行動をとられている」ということになります。
私たちのお仕事は「おもてなし」です。
お客様のお顔と名前を覚えてお出迎えし、またのご来社をお待ちします。同じく社内の方のお顔とお名前を覚えて、社員の方がスムーズにご来客と会議に入れるようサポートしなければいけません。
それなのに。
・毎回毎回受付表にご記入いただかなければいけない。
・お互い顔も名前も会社名までも分かっているのに、ルールだから毎回書いてもらわなきゃいけない。
・名刺を2枚も確認しなきゃいけない。
・手書きで書いてもらっている情報が正しいかなんて誰にもわからないし、名刺なんて誰でも作れちゃう。
・それなのにお客様も社員も受付もこの手間を省けない。
・私たちがしていることっておもてなしと反している。。。
みんなが感じてることだと思いました。
こういったそれぞれの不満や不便さを一番理解しているのが受付だと思うんです。受付行為の真ん中に立って、直接お客様や社員の方と接しているのですから。
私は、まずこれを変えたいと思いました。
私たちのような「受付嬢を置ける企業」というのは、ごく一部。
しかし、企業と来客が存在する以上受付は何らかの形で存在しなくてはいけません。有人受付でも内線を使って取次ぎをするのですが、毎回出ない人。伝え忘れる人。同姓が多い方の場合、勘違いのお取次漏れ・・・
とても効率が悪いなと感じてました。
忙しい人ほど来客が多い、ということは席にいないことが多いわけなんですよね。そんな人に内線で来客を伝えられるケースの方が少ないのは当たり前です。
毎回代理で内線に出てくれる人も業務の集中妨げられているだろうし。
こういった問題を大好きなITを使えば解決できるんじゃないか。いや、うん。解決しよう!せっかくIT企業に携わってきたんだから。
「そういえば、受付システムってどんなものがあるんだろう?」
そう思った時には調べていました。
・全然使い勝手のいいものがない。
・料金が高い。
・これでは何の問題も解決にならない。
・IT使っている意味がない。
そう思うものばかり。
きっとこういったサービスを作っている人は、「受付のことを何となくしかわかってないから」と思いました。
こういったプロダクトを私が「10年という経験から学んだ全スキル」を注ぎ込めば、絶対に快適で便利な受付システムが作れると確信したのです。そして、
世界一の受付のサービスにする!
そう決意するまでの時間が、起業するに際してとても重要な時間でした。
どうしてこれがやりたいのか?
どうして私がやるのか?
どうして起業なのか?
そう聞かれることがよくあります。
「ずっと起業したかったの?」
「もともと起業思考があったの?」
そう聞かれるのですが、
全然そんな風には思っていませんでした。
なら、どうして起業したのか?
それはとても単純です。
やりたいこと、実現したい世界を作るには起業しかなかった。それが一番近道だったからです。
しかし、先ほどもお伝えしたように「これまで私は受付しかしてこなかった」のです。受付のスキルと受付という仕事への愛だけは誰にも負けない自信はあったんですが、なんせ受付嬢。
『営業すらしたことないのに起業できるのか?』
そう不安があったのは事実です。
でも、やりました。起業しちゃったんです。
受付をやりながら企業の準備に入りました。
まずはお金がない。
資金調達しなきゃいけない。
これどうやってやるんだ!?
プロダクト作るにも、コード書けない。
これどうやって作るんだ!?
そもそも会社ってどうやって作るんだ!?
てゆーか一人じゃ何もできないぞ。
その前にGMO辞めなきゃ。
とまぁたくさんの課題が目の前に現れたのです。
でも、それと同時に、私を助けてくれるたくさんの先輩方が現れました。企業の素晴らしさを教えてくれて勇気をくれたり、私がやりたいことに共感してくれてたくさんの人を紹介してくれたり、資金調達のノウハウを教えてくれたり、一緒にプロダクトの要件定義を考えてくれたり。。。
朝から夕方までは受付の仕事。夜はとにかく人に会って勉強。こういった生活2年くらい続けて、少しだけですが、他のスタートアップのお手伝いをさせてもらったりもしました。
そして、GMO受付時代の上司に自分の意思を伝え、退職の方向で動いてもらいました。
会社は2016年1月に創業しており、GMOを退職したのが2016年3月末。
この3ヶ月の2束のわらじ期間が一番忙しかったかもしれません。
お昼休みを使いアポに行ったり、朝一でMTGに参加してからの出勤したり、受付のお仕事が終われば人に会いに行って勉強する。リアルに渋谷を走り回っていたのです(苦笑)
そんなこんなの努力を積み重ね、GMOの退職の日を迎えました。
4月1日からは自分で作った「ディライテッド株式会社」にフルコミットです。世間は入社式や入学ムードで新しい人の集まりが生まれる時なのに、私は一人になりました(笑)
でも毎日楽しかった。日々いろんな変化があって。今まで会社に守られていたからなかなか感じられない経験てすごくあったんだなって。一人だとその全てを自分で感じられたんです。
「ありがたいな」
「嬉しいな」
「大変だな」
「まだまだだな」
そう思いながら『まずは仲間集めだ!』
受付のプラットフォームを造るぞ!と意気込み、一人で航海に出た船ですから、漫画のワンピース方式で一緒に船に乗って大航海をしてくれるメンバーを探すぞーっと意気込みました。
信頼できる諸先輩方から、
「プロダクト作るにはエンジニアも大事だけど、今回はプロダクトマネージャーみたいな人がもっと大事だと思うから、まずはそういう人を見つけた方がいいよ!」
確かに!!!さすが経験が豊富な先輩。
「開発のことを全くわからない私とエンジニアさんの間に通訳」が必要ってことですね。うん、間違いない。
そこで矛先を向けたのが、ミクシィで受付をしていた時の仲間で、現在弊社COOの「真弓」でした。
『プロダクトマネージャーってあんまり聞かないよな。周りにいないよな。』と思いながらFBの友達リストを見ていたところ、、、、舞い降りてきました。
「確かまゆたん(真弓)てプロマネだったような・・・」
早速FACEBOOKにて連絡。
唐突に「まゆたんってプロマネ?」と一言送りつけるという御転婆ぶりです。
それから3日後くらいに「今も昔もプロマネです」と返事がきましたので、早速『会おう。ランチしよう!』と約束を取り付け、私が今こんなことを考えていて、こんなことをやりたいんだって思いを伝えました。そして、
手伝って!と。
ダメもとだったのですが、カフェで何度かMTGを重ねるたびに、「あれ?もしかして一緒にやってくれるかも・・・?」と流れが変わってきたんですね。そのころ別で紹介してもらったメンズ、すーやんにも出会うのです。
(2016年5月頃 左:真弓、右:すーやん)
真弓はなんでもこなす、スーパーマン!どんな時も笑いとばしてみんなを引っ張って行ってくれます。
すーやんはイケメンなのに、出会った頃から半年で8キロ太っちゃう止められない食いしん坊。関西から現れた弊社のムードメーカーです。
そして、この私の雑な性格では(苦笑)、会社のバックオフィスなどやっていけないと思い、友人だった瞳ちゃんもお誘いしました。
瞳ちゃんはとにかく気がきくし、勉強熱心だし、1つ1つ細かいし、向上心もすごい。信頼してオフィスを任せられる私の良き理解者です。
真弓が入社を決めてくれてから、とにかく格段にスピードが上がりました。
『めちゃくちゃ頼もしい!心強い!!』
それは今でも変わりませんし、むしろ増しております。
そんな彼が声をかけてジョインしてくれたiOSエンジニアの三宅さん。
彼はバグを見つけてはすぐに対応してくれて、すごく真面目な見た目なのに
真弓のお誕生日をスカイプでお祝い参加してくれた時には、なぜかゴリラの被り物をして登場する見た目とは裏腹なハッピーなキャラです。
彼から「今までの仕事で今の仕事が一番楽しいです」と言ってくれた時は、気持ちがとても上がりました。こう言う時、起業した人が感じる醍醐味かもしれません。
三宅さん以外のエンジニアに関しては、私が4・5月と走り回っていろんな企業や人に伺っていた際に、私のことを思い出してくれた方から、「良いエンジニア集団紹介するよ」と紹介してもらい、その彼らが今は社員として入社して一緒にプロダクトを作ってくれています。
亜成様とざわ氏。ダントツ若い子の二人。でもやり手!
亜成さまは若いのにしっかりもの。イケボ(イケメンボイス)の持ち主で、彼の向上心と吸収力と自ら提案し動いてくれる姿勢は他の社員のお手本です。
でも、とーっても体が細いんです。だから、彼を太らせるために毎週水曜は私がご飯を食べさせることで必死にになってます。笑。
ざわ氏はお母さん想いで、素直で控えめで必ず毎日決まった時間にslackにログインして、手を動かしてくれる真面目な大学生です。
亜成さまとのコンビは最強!!私はそう思っています。
こうして、よくわからないけど毎日爆走しているといろんなところに種が撒かれて、それが少しづつ実って、仲間になってくれる。みたいなことを感じました。とても楽しい。
こうしてブログを書きながらメンバーのことを思うと、母のような姉のような気持ちになり、うちの会社は本当にみんなが家族のように仲が良いです。スタートアップで一番のチーウムークを築けていると自負してます。
『だからこそ、私がみんなを幸せにしなくては!!』
と、そう思うばかりです。
誰にも言っていないのですが、実はプロダクトをオープン化する前日、夜中に仕事をしながらこれまでのことや翌日のリリースを迎えることを考えていたら、涙が止まらなくなりました。
その結果、翌日は目がボンボンに腫れたままサービスリリースの祈願へ。
ここからがスタートなんですが、ちゃんと世の中にサービスを出せるところまで来たんだなって。まず一歩形にできて、前に進めたなって思いました。
こういうことを繰り返しながら、自分もメンバーも成長していくんですね。きっと。
もちろん今もいっしょに船に乗ってくれるメンバー大募集中です!!!
(採用情報は⇦ここから!)
今の弊社のメンバーは人が人を呼んでおります。
プロダクトも株主様も導入企業様もそうです。いろんな人に支えてもらって前進しております。
会社とは多くの人を巻き込んでなんぼだと。
「私、今こういうことに困ってます~!」
「これわからないから誰か教えてください!」
そう声を上げると、誰かが助けてくれるものです。
だから恥ずかしがらずに「声を上げる、助けを求める」っていうのはとても大事なこと。
私が今回のブログにこの内容を書いたのは、こういった感謝を絶対に忘れてはいけないからです。書かなくても忘れることはないですが、文字に起こすということはとても大切なことだと、自身で書いていてさらに実感しました。
なかなか普段伝えられない感謝や想いを伝える場としても、ブログは大切にしていきたいなと思います。いつも本当にありがとうございます。
みなさんがいてくれるから、今の私があるんです。
前を向いて歩いていけるんです。
毎日笑顔で居られるんです。
暖かいお布団で寝られるんです。
もっともっと頑張ろうって思えるんです。
みんなを笑顔にしたいって思うんです。
仕事って素晴らしいですね。
仲間っていいですね。
これからもこの想いを胸に、精進していきたいと思います。
さて、話は少し変わりますが、
このプロダクトをリリースするにあたり、よく言われることがあります。
「自分が今までやってきた仕事を無くすようなサービスだよね?」
いいえ。全くそうではありません。
私たち受付嬢のお仕事はとても素晴らしいものだと思います。私たち受付嬢にしかできない仕事はどんなプロダクトを使っても変えられません。お茶だし・ご案内・清掃・臨機応変な接客対応。
これは人である私たちにしかできないことだと思います。
裏を返すと、「取次ぎ」という行為は私たちがやるよりも効率的で快適さを提供することができます。そうやって業務を棲み分けすることにより、人にしかできない業務内容は人が注力し、効率化できる部分はITを使う。
こうした新しい受付の形が実現できることにより、有人受付設置のハードルも下がると思うんです。その世界が実現できると、もっと「受付嬢」を生み出すことも可能です。
そして、私達のサービスが世界の受付を変えられるように、これからも精進いたします。
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