10年以上の経験した私が伝えたい「受付の実態」について
皆様が受付に対して持っているイメージ。
それはきっと一言で言うと「華やか」だと思います。
しかし、それは演じているだけで実態は真逆。
「地味」です。
受付というのは会社にとっては黒子の役目なんです。
以前にもブログで書きましたが、私たちのお仕事の意味はお客様を笑顔でお迎えし、最良の状態でお客様を社員に引き継ぎ、円滑にMTGを進めていただき、その結果、素敵な取引につながる。みたいなことなんです。
その為に私たちは綺麗にお化粧し、ヘアスタイルをセットし、綺麗な制服を着用し、笑顔でお出迎え・お見送りをします。
お客様にはおもてなしの意味を含め、会議に集中してもらうためにお茶を提供します。
良い環境で会議を迎えてもらうために、お部屋の清掃をします。椅子を整えます。みんなが飲んだ飲み物を下げます。
次の使用者の方にも同じ環境で会議をしてもらうために、長引かないようにメモを入れます。
失礼がないように敬語をきちんと使います。
お客様のお荷物を預かります。
会議室調整のためにパソコンと向き合います。
聞かれたことはなんでも答えられるように社内のことを勉強します。
今述べてきた業務ってどうでしょう。
地味じゃないですか??
受付は「黒子」でなくてはいけないのです。
邪魔してはいけない。
目立ってはいけません。
私たちは影から社員を支える縁の下の力持ち役です。
そういった仕事を11年やってきて思うのは「私はドMか!」ではなく(笑)
「なんて素敵なお仕事なんだ」です。
すごく人の役に立っていることを直接感じられるお仕事だと思います。
直接的にお礼や評価を伝えてくれる人は少ないですが、会社の成長こそが私たちの役に立っている証なのです。
世の中にはたくさんの企業が有人受付を構えています。
受付というのは会社の色がとても出る部署。
100社あれば、100様です。
私は3社目くらいから受付の面接や入社の紹介の際に「橋本さんは受付のプロですね」と言われるようになりました。
しかし、それは毎回否定してきました。
謙遜というのも本音を言えばゼロではないですが、本当にそう思っていたからです。
というのも、働いてみて気付くのですが、先ほど申し上げたように受付というのは会社によって全く違うんです。
色も、求められるスキルも、受付として働いてる人も、社員の人も、お客様も全く違います。
もちろん以前の職場での技術が役に立つこともありますが、『自分はこの会社が受付デビューだ!』と思って入社した方が最良のサービスを提供できると思います。
その証拠と言いますか、私が働いていた受付の採用要項に「経験者オンリー」という言葉はなく、むしろ「未経験者歓迎」でした。
下手に他の受付の色を持っていて、それを落としてこの会社の色をつけるよりも、真っ新で来てくれた方がいい。
前職の受付と比較して、あーだこーだ言われたり感じられるより、そんな無駄な指導はしなくて済むならその方がいい。
この辺りからお気付きの方もいるかもしれないですが、受付というのはとても厳しい環境です。
簡単な言葉で表現するのであれば
「地味」「きつい」「もてない」
です。
朝は早い。会社が営業時間を迎える時には私たちは完璧な姿でそこに座っていなくてはいけない。
絶対に穴は開けられない。受付がいないとお客様は社員に会えないんです。
台風で交通機関が乱れようと、お客様がいらっしゃる可能性がある限り、出勤しなくてはならないのです。
ただいればいいというわけではなく、どんなに体調が悪かろうと完璧な姿でいなくてはいけないのです。
マスクもできない。すっぴんなんてもってのほか。
1日おそらく1000人には関わっていると思います。その1000人の前で常に完璧でいなきゃいけないので、それはキツいです。
常に会社の最前列にいるので、最も人と触れ合う機会が多く、沢山の方に見られています。
ナンパなんてされません。
なんなら「お高くとまっている」という印象を持たれます。
受付というのは「チームのお仕事」です。
なので、個人名で仕事をしてるという感覚はなく、常に「〇〇会社の受付の子」という表現をされます。
ですから、誰かが何か粗相をすると「あそこの受付の子が・・・」とチーム全員がマイナスイメージな印象を持たれてしまうんです。
制服を着てお仕事してる方には共感していただけるお話かと思います。自覚を持って行動してください、と常々思い、伝えてきました。
では、立派な受付とはどういった受付でしょうか?
私はこう考えます。
「無駄がない」
これ以外に見つかりません。
前述したように、受付は「黒子」です。
何事も過度になってはいけないのです。
過度な気遣いは「おせっかい」
過度な身だしなみは「ただの派手」
過度な距離感は「圧迫」
過度な興味は「ただのミーハー」
何事も過ぎてしまうといい印象には結びつきません。
こうして話してみると受付の深さが伝わりますね。
最後に、受付にはもう一つ大事な仕事があります。
企業に「直接的な価値」を生み出すことです。
受付というのが企業の色が出ると言いましたが、それは戦略が出るというのとイコールだと思います。
会社の戦略が出る部署として、次回、有人受付に行かれる時は見てみてください。面白いと思います。
どんな受付スタッフを置いているのか、制服はどういうものを選んでいるか、それだけで読み取れるものがたくさんあります。
例えば、GMOインターネットの受付はかなりインパクトがあります。
夏の制服はショートパンツ。靴はクリスチャンルブタン。
華やかな印象を与えるメイクやヘアスタイルです。
「GMO=受付」というイメージをお持ちのお客様もいらっしゃるのではないでしょうか?
「その受付嬢を見るためにアポを入れました!」というお客様もいらっしゃるぐらいです。
それぞれの企業が色を出すために戦略が受付にも表れていると思います。最先端のトレンドを掴んでいる企業カラーをいらしたお客様にお伝えできていると思います。
そして、それだけ受付にも力を入れてもらえているという気持ちは、受付スタッフのモチベーションにつながっています。
そして、受付を置いている会社の方は受付にもっと力を入れてください。
受付は「コストになる」だけではなく、きちんと企業に直接的な価値を生み出すことができる部署なんです。
受付が快適だったり、名物になると来客は増加します。
来客が増加するということは、社員の外出を減らすことに繋がります。
ということは、社員の移動の時間と経費を削減することができるんです。
これは意外と大きな貢献ではないでしょうか?
この視点はやはり、現場で働いていた私「受付嬢」ならではの視点だと思います。
謎が多い受付というお仕事ですが、とても地道なお仕事です。
華やかさの裏には地味がある。
表裏一体ですね。
少し長く受付について語りましたが、今回は「私の考える受付」について語りました。
次は何について語ろうかな。。。
リクエストも募集してます(笑)
こんな風に思い返しながらブログを書いているとまた受付のお仕事をしたくなります^^
どこかでお手伝いしようかな。。
そんな妄想をしつつ、これからも世の中の受付にイノベーションを!
起こしていきたいと思います!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
iPad無人受付システム「RECEPTIONIST(レセプショニスト)」のご登録は、←コチラをクリックしてください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー