受付嬢、資金調達をするの巻〜エンジェル編〜
弊社絶賛資金調達中でございます。
そこで今日のブログは「どうして起業したの?」の次に聞かれる質問について書きたいと思います。
「どうして起業したの?」
「お金はどうしたの?」
と続くのです。そうですよね。気になりますよね。
みんなの質問はとてもわかりやすい。
私の答えは、「資金調達させていただきました」です。
すでにVCも入っていただいております。
みんな「すごいねー」「そりゃそうだよね」と言ってくれます。
ありがとうございますw
私が就いていた仕事は「派遣の受付嬢」です。
ボーナスもなければ、固定給でもないわけです。
起業を自己資金でするだけの貯金なんて無理です。実家暮らしでもないし。
以前のブログで起業する前に勉強しましたとお伝えしましたが、資金調達について一番勉強したかもしれません。
お金がなければ、何も始まらないのです。
ありがたいことにここ数年で「エンジェル投資家」といったような言葉を耳にするようになってきました。
私もそのエンジェル投資家の方たちには大変お世話になっております。
最初の資金調達は「エンジェル投資家」の方たちだったのです。
エンジェル投資家の方たちとどうやって出会ったかと言いますと、
11年の受付嬢時代にとにかくいろんなところへ行きました。
いろんな方に出会って、いろんな話を聞いたいと誘っていただいたイベントに参加したり、「こういう人に会いたい!」と自ら発信をし、ご紹介いただいたりしていく中で、
私が受付嬢を辞める頃には「フェイスブックの友達数」は1300人を超えていました。繋がってくださっている方、いつもありがとうございます。
前にもお伝えしましたが、ずっと前から起業をしたいと思っていたわけではないので、
エンジェル投資家の方という認識で繋がっていた方は実は一人もいませんでした。
しかし起業することを意識しだしてから、周りの方に「あの人はエンジェル投資家してるよ!」などと教えていただき、「そうだったんだ!」と知ることがほとんどでした。
私が起業することをどこかから耳にし、「今度話を聞かせて」とおっしゃってくださる方もいらっしゃいました。
エンジェル投資家の方は「エンジェル投資家の横のつながり」をお持ちの方が多く、ご紹介をいただき、会いに行くと言ったようなケースもありました。
そして図々しくも会いに行き、 受付嬢だった私がプロダクトを作りたいと言っている。
その時に色んな事を言われました。
「コード書けるの?」
いいえ書けません。
「じゃー書いてくれる人いるの?」
今から見つけます。資金調達と並行して探してます。
「プロダクトができるかすら怪しいと思ってる」
ですよね。みなさんおっしゃる通りです。
もちろんお断りをいただくこともありました。
しかし、意外や意外。初めてお願いに伺って、その場で意思決定してくださる方もいたり、2度の面談で決めていただく方がほとんどだったのです。
その理由は幾つかあったと思います。
・やろうとしていることが他の人にはない自分だけの経験を元にしている
・そこに対する課題も明確
・まだ誰もやろうとしなかった
・女性で派遣でしかも受付嬢で起業。面白い!
・とにかく一生懸命だ
大きく挙げるとこう言ったことだったと思います。
最初の資金調達の際に、何人の方にお時間頂いたかな・・・
多分20名くらいには会っていただいたと思います。
その中で出資をしていただいた方ももちろんいますが、お断りをいただいた方にもお金ではなく貴重な意見をいただいたり、何事にも代えがたい時間をいただきました。
「世の中にはお金が余ってる。だからきちんと伝えて、資金を集めて自分が実現したいことを実現してください。」
「私たち起業家は最初は詐欺師みたいなもんです。だって、まだ何もないものを実現するからお金ください。あずけてくださいとお願いする。これが実現できなかったらやっていることは詐欺師と同じですよね。」
「コードも書けないのにプロダクトを作りたくて、まだエンジニアもいないのでは本当にプロダクトを作れるかすら怪しい。」
目からウロコだったり、たしかにおっしゃる通りと思ったりでした。
でも、全てが私の力になりました。
お金が余っているだなんて思ったことなかったけど、そうやってこの人が言うならそうなんだろう。まだまだチャンスはある!
詐欺師になりたくないし、そう思われるのも絶対に嫌。
プロダクト作れるか怪しい。初めて言われたけどそりゃそう思うだろうな。でも絶対に作ってやる!
エンジェル投資家の方以外にもたくさんの方にお会いし、アドバイスをいただくなかで毎日が勉強でした。
資本政策なんて言葉起業を考えるまで口にしたこともなかったし、考えたこともなかった。
バリュエーションなんて普通にOLしてたら知らない言葉です。会社の一番土台となるお金のこと。最初にとにかく勉強しました。
「今はバブルだ」とよく耳にします。
バリュエーションというのは正解がないものだと思います。
ある程度の数字に基づいて算出されると思いますが、その上にそれぞれの期待値や魅力を感じる部分や伸び代みたいなところで色をつけて総合的に価値を算出されていると思います。
多少の流行りもあると聞きます。
VCや投資家という言葉ができる前から、起業し上場を経験している経営者の方からすると今はおかしいという話を聞きます。
投資を受ける起業家から「うちはいくらです!このバリュエーションで出資してください」なんていう話も聞くけど、そんなおかしな話はないと。
自分たちだけで決めるものでないし、それを投資家やVCに押し付けるなんてもってのほかだと。そういうことがわかってない起業家が多いから、こんなおかしなバブルというわれるような風潮になってんねん。と。
(このアドバイスをくれた方は関西の方ですねw)
またもや、目から鱗。
そんなつもりは全くなかったですが、言われてみると改めて振り返ることができました。
こうしてたくさんの方にお会いしながら、資金調達を進めている中で一つさらに強く思うことがありました。
「お金は余っているんだ。じゃーきっといろんなところにお金はある。でも資金調達ってお金を集めることが目的なんだっけ?いや、そうじゃない。」
100万円単体を見たら銀行から借りたって、投資家の方からお借りするのも同じ。
でも何が違うって、銀行は基本的にはお金を融資するというのが一般的。投資家の人からはお金だけではなく、むしろもっと重要なその方の知見がお借りできる。だって株主になっていただけるのですから。
それを意識して資金調達に動きました。
誰でもいいから出資して!!ではないんです。
あなたに株主になっていただきたいんです。
いつもお伝えしてますが、私にできることなんてほんのほんの一部なんです。
だから、力を貸してください!
心の底からそう思って、お願いにあがりました。
出資を受けるということは命を分けることです。
よく「結婚」に例えられますね。
健やかなる時も、病める時も・・・みたいな、いい時も悪い時も一緒に乗り越えてくれる株主を味方につけなさいと。
これも本当にその通りです。
人から紹介を受けて初めてお会いする方もいました。
初めて会う人に「私にお金ください。預けて下さい。」なんていうんです。
不思議な光景です。
でも、私は本気です。プレゼンも下手くそだし、資料も自分じゃうまく作れない。
でも、とにかく一生懸命話しました。
やりたいこと、やろうとしていること。どうしてやりたいのか。
自分がその時に伝えられるすべてを伝えるためにとにかく話しました。
投資家の方とお会いした後は真冬なのに汗だくだったな・・・
みなさまとてもお優しく、親身に聞いてくださり、共感してくださり、無事に調達させていただき、いろんな方にびっくりされるくらいのとても素晴らしい株主の方たちに支えていただけることになりました。
今も大いに支えていただいております。
こんな小娘に貴重なお時間と命を割いて稼いだお金を投資してくださり、本当にエンジェルです。
そしてこの想いに応えるべく、会社のメンバー集めに走り、プロダクト作りに勤しんだわけです。
みなさまが投資してくださったお金で会社を動かすことができてます。
その結果、無事にプロダクトをリリースすることができました。
まだまだまだまだなんですが、まずは「プロダクト作ってやったぜ!!」と詐欺師にならずに済んだことには胸を撫で下ろしました笑
最初の資本政策は苦労しました。でも、それも顧問弁護士の先生のおかげで今までやってこれてます。
ど素人の私にシンプルに資本政策を伝えてくださり、的確なアドバイスをくださっていつもとても助けられていますし、心強いです。
資本政策を最初にミスると、会社の命に関わる危機につながります。
生命線にもつながる資本政策をきちんと知識があり、信用できる方に相談できるのは本当にありがたいです。
冒頭に受けた「お金どうしたの?」の質問に私が「資金調達してますよ」と答えると「あれ?リリースとか出してなくない??」ともセットで聞かれます。
「はい。出してないです」
私なりの理由があります。
資金調達のリリース憧れます。
でも、お金は集めたけど、私はまだ何もしてない。
やりたいこと何一つ実現できてないくて、人様のお役に立てることもできてないのに
「○○円調達しました!!」と発表するには私たちにはまだ早すぎると思っています。
私がまず出すべきリリースは「皆さんのおかげで作りたかったプロダクトができました!」これだと思ったからです。
1月のサービスオープン化に伴い、皆さんにニュースをお届けすることができました。
でもまだまだこれからです。
私たちもいつかそう言ったリリースを出せるくらいの会社とサービスになりたいです。なります!
そして資金調達はしなくてはいけないものでもないと思います。
「起業」=「資金調達」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、それは違います。
自己資金でやっていけるのであれば、それはとても素晴らしいことだと思いますし、
銀行からの融資を受ける選択肢もあると思います。
だからこそ、いわゆる「ベストプラクティス」はないんだと思います。やろうとしているビジネスはそれぞれ違うと思いますし、どの方法をとるべきかは経営者の経験や資金力や考え方で決めるべきなんだと思います。
資金調達にはいろんな理由がありますし、それぞれのフェイズで理由も異なってくると思います。起業当初は仲間集めや、会社という「箱」を整え、働く仲間をきちんと迎え入れるためだったり、その次はいいプロダクトを早くいい状態で世の中に出すための採用目的だったり、海外進出のための資金だったり、アクセルを全開に踏んで爆進していくための資金調達だったり、と様々です。
今回は起業当初の一番最初の資金調達についてのブログなので、私は株主の方というメンバーを集める意識で調達させていただきました。
本当に心強い株主の方たちで、常日頃いろんな場面で支えていただいております。
いつもありがとうございます。
心から感謝しています。
元受付嬢という一言では片付けられないなーと最近思うのですが、これまたよく言われるのです。
見た目がこんななんで(笑)
「受付チョロっとやって、軽い感じで起業したのかと思ったー」と。
そう思われるのもわかります。
でも私受付11年やってきましたから!
もう社会人になってそこそこですよ、と。
これまた株主の方に言われた印象的な一言。
「自分も起業家で命かけてやってるんだけど、橋本さんもそうでしょ?」
強くそう自ら思ったことないけど、確かにそう思ってやってる。
ええ。そうですとも。
むしろ会社にメンバーの人生も命も背負ってますわ。
その私が命をかけなくてどうするんだと。
プロダクトは私の子供です。
少しでもみんなの想いを乗せた子供達(プロダクト)が、人様のお役に立ってくれることを日々多いながら生きてます。
そんな私たちにお力添えをいただける皆様を募集しております。
資金調達、メンバー、サービス使うよ!、なんでもいいから手伝うよ。なんでも募集中です!
なんだか生意気にも私が資金調達のことを長々と書かせていただきましたが、あくまでも私の経験と考えです。
これが正解とか押し付けるつもりはありません。
むしろこうだよ!って思うことがあれば、ぜひお聞かせいただきたいと思ってます。
こうして今回この内容を書いた理由は、受付嬢だった私でも不器用ながらもこんな風に皆さんのお力をお借りしながら前に進めているということを伝えたかったからです。
起業を考えながらも、身近にこう言った経験をした人がおらず、なかなか聞くことができない人もたくさんいると思いました。
少しでも私の経験とお話が誰かの役に立つかもしれないと思ったので、書かせていただきました。私を「起業家」「経営者」にしていただいたご恩をこう言った形でも表していくべきなんではないかと思ったからです。
未熟な私と会社とサービスですが、今後ともどうぞお力添えと応援をお願い致します。
感謝を込めて!